老親介護は、子どもが同居しているのか、離れて暮らしているのか。
離れて暮らしているにしても、近くにいるのか、遠くなのか、によって、事情は変わります。

でもそれ以上に大きいなと思うのは、子どもがひとりっ子なのか、兄弟姉妹がいるのかどうか、ということ。
この、兄弟姉妹がいるかというのは、老親介護の問題を分担し合えるかどうか。

兄弟姉妹も、
時間的に余裕がある人、
経済的に余裕がある人、
体力的に余裕がある人、
といろいろ。
それぞれの事情でどこを分担するかを話し合える兄弟姉妹だと、その後いろいろ出てきたときにも何かとスムーズです。

ちなみに我が家の場合は3姉妹。
3人とも親が住む実家から車で1時間~2時間の距離です。
具体的には、
・日常的に様子を見に行く
・急なSOSがあったときに駆けつける、
・ケアマネさんなど介護関係者からの連絡対応、
・書類の手続き関係、
・親に説明し、説得すること
などがしばしば発生します。

しかも、介護で一番の難しさは予測がつかないことじゃないかと私は思います。
あらかじめ休みをとったり、スケジュールを調整したりしても、急に変更したり、別の事案が出てきたりするので、段取り通りにはなかなかいきません。
しかも、それまでの経緯や親の気持ちや状態がわかっていないと、話を進めたつもりがすぐに振り出しに戻ってしまいます。

我が家の場合は、試行錯誤の結果、初期段階で以下を整えました。

  • スマホのスケジュールアプリで、親のスケジュールを姉妹で共有しました。
    使ったのは、Time tree。 共働き夫婦のスケジュ-ル共有に使うことが多いアプリのようです。
    親のスケジュールだけでなく、わたしたちも、大事な予定があって絶対に動けない日は各自がここに入れておきます。
  • 姉妹でLINEグループを作り、親のことについて連絡を取り合いました。
    ケアマネや介護事業者の名刺、保険証などはすべて写真にとってLINEグループ内のアルバムに保存し、誰もが見られるようにします。
  • ケアマネとの連絡は、できるだけ宛先を3姉妹にしたメールでお願いしました。これが結構ハードルが高いんですが、言った言わないや、うっかり忘れの防止に役立ちました。

先日、私と同様に3姉妹の人も、同じように取り組んでいた、と言う話を聞きました。できる人ができることを、ということで進めたとのこと。
彼女の家の場合は、経済面を3姉妹で負担する必要があったそうですが、それも
平等に分担し合うと言うことなく、そのときできる人ができる範囲で、ということで進めたそうです。仲が良い姉妹だからこそですね。

一般的には、キーパーソンを設定し、その人がケアマネや施設など外部との連絡をって進めていくことになるようです。介護事業者の人も、介護家族にはそれを奨めているようです。
実際そうでないと、違うことを言ういろんな家族が出てくると混乱して、前に進めなくなるからなんですけど、でも、私たちはそれをしませんでした。
なぜなら、3人とも忙しいし、そうなるとどうしてもその人の負担が大きくなる。
それに、みんないつでも自由に連絡を受けられる状況とは限らなかったからです。

キーパーソンを設定する、という考え方は、同居している家族や、専業主婦などいつでも連絡を受けられる人がいることが前提のような気がします。
今(これから)の時代には、ちょっとそぐわないんじゃないかな。

でも、キーパーソンを設けないためには、上記のような共有がかなり徹底しないと、難しいんです。

周りでは、兄弟姉妹と疎遠だったり、ひとりだけに過度に負担がかかっているケースをしばしば見かけます。
親の介護がきっかけで兄弟姉妹でケンカになったり、時には縁を切るという話が出てくることもあります。

老親の介護が大変であっても、兄弟姉妹がいれば分担し合えるけれど、一方で兄弟姉妹がいるからこそ情報共有には時間と労力も必要で、面倒なことも沢山あります。親の方も、しっかりしているうちはいいのですが、子どもが何人かいると、親はそれぞれに違うことを言ったり、他の子どもの文句を言ったりすることもあります。親が余計なことさえ言わなければうまく進むところを、親のせいでギクシャクすることだってあります。

ひとりっ子さんは、すべてをひとりで抱えなくてはならず、負担は大きいですが、
その分自分の一存で全てを決めることができるし、親も当てにできるのはその子だけですから、関係性がシンプル。

兄弟姉妹がいるかどうかは選べないことだけれど、親がいるのは誰もが一緒。
どんな風に老親介護に向き合うか。
兄弟姉妹がいる人は、兄弟姉妹とどんな風に付き合うかと、ニアイコールなことだと思います。

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