空き家問題が社会問題化してきたのは10年くらい前からでしょうか。

我が家は東京都内の住宅地ですが、20年くらい前に引っ越してきたばかりの頃、いきなり町内会の係を仰せつかりました。
その仕事と言えば、
・回覧板の管理
・町内会費の集金
・年に何回かの共同募金の集金
といったところ。

係の仕事は、順番に回ってきます。
大した仕事ではありませんが、集金は1軒1軒訪ねなくてはなりません。

15年ぶりに係が回ってきたら、
管理する世帯数が、20軒弱程度から10軒になっていました。
空き家が増えてきたからです。

集金のために1軒1軒訪ねる中で、
どうして空き家になったのか、それぞれのお宅の事情が見えてきました。

お子さん宅にお引越しをした、
介護施設に移られた、
亡くなった、

概ね、そんなところ。
要は住人の高齢化です。
ここは昔々から住んでおられる方が多いので、現在70代の方が子ども時代から住んでいる人が少なくないので、
空き家だったところに帰ってきた70歳の男性のことを「ひろくん」と呼ぶご近所さんがいるくらい。
「〇〇さんは奥さんが認知症になって、ご近所の花壇の花を取って花束を作っていた。
ご主人が、お金を包んでお詫びに来ることもあったけれど、そのうちご主人も認知症になって二人で介護施設に入った。」
1軒1軒訪ねる中で、そんな話をお聞きするのです。
全部の家を回るのには、3日も4日もかかります。

それでも、そんなお話をお聞きする中で、ご近所さんの生活ぶりがうかがい知れて、
時間がかかるのは大変だけれど、私はそう嫌いではありません。

うちの近所の場合はどこの空き家もきれいですが、今、少しづつ壊されて新しい家へと変わってきています。
それも1軒の土地の中に、3軒4軒が所狭しと。
住宅バブルと言われるゆえんですね。

一方で、私の実家は私が子どもの頃に住んでいた東京都下の住宅街で、両親が2人で暮らしています。
ご近所はほとんどが私が子ども時代に住んでいた人たちばかりの親世代、80代、90代が中心です。
子ども世代と暮らしている人はほんのわずかで、ほとんどが一人暮らしか、老夫婦で支え合う二人暮らし。
古いおつきあいが今でも継続しているのは喜ばしいことですが、まさに老人の街。
都下だし、駅までバスのやや不便な場所なせいか、新しい家が建つこともあまりありません。

子ども世代は、自分たちのライフスタイルに合った家(場所を含む)に住むので、
親の家には住む人が多くないのですね。
親が年をとり、家に住み続けられなくなれば、空き家になるのは時間の問題です。

そんな事情の中、空家管理事業者向けに「空家賠償責任保険」が発売されました。
あいおいニッセイ同和損保と三井住友海上が始めたものです。
家財が損壊したり、外壁が崩れて通行人がけがをしたりした際の賠償費用を補償する保険だとか。

空家管理事業者が対象ですが、空き家の増加に伴って管理業に参入する住宅メーカーなどが増えていることに対応するというのだから、新しいマーケットになっているのですね。

こちらのリリースによれば、

■空家管理事業者が負担する損害賠償責
・空家の簡易清掃を行っていたところ、室内の壁を壊してしまった。
・各種点検の終了後、電気を消し忘れてしまい、ムダな電気料金が発生してしまった。
・各種点検の終了後、空家の鍵を閉め忘れたため、その後、家財が盗まれてしまった。
■所有者が負担する損害賠償責任
・空家の外壁が剥がれ落ち、通行人がケガした。民法717条に基づき所有者責任を問われた。

等が想定されているようです。

ちなみに、私の友人Aの実家が現在空き家になっていますが、
そのお宅には、今、私の友人Bが住んでいます。

きっかけは、我が家のリフォーム。

我が家がリフォームするほんの2ヶ月程度の間、自宅に住めなくなった私たちは仮住まいを探していたのですが、高額なのにどこも帯に短したすきに長し。
そんなときに友人Aの実家を借り受け、仮住まいをさせてもらったのでした。

友人にとっては、

ときどき空気の入れ替えなど、家の様子を見に来なくてはならない。
たまに見に来ることを考えると、電気ガス水道を止められない。
ご近所さんとのおつきあいも無視できない。

という事情の中で、私たちは元々置いてあった家財そのままで仮住まいをさせてもらったのです。
その間に、友人Aが訪ねてくることもあったし、ご近所とお話wおすることもありました。

2か月後、私たちがその家を出る時に友人Aから、同じような形でどなたか住む人はいないだろうか?と言う話になり、
友人Bに紹介したところ、交渉成立。
現在、私の友人Bが、友人Aの実家で暮らしています。

それから3年。
今では、友人Aと友人Bはちょっとした親戚づきあいのよう。
郵便物の受け渡しなどでときどき行き来をしています。
その関係を、友人Bはたいそう気に入っています。
友達とは少し違う関係性の人が新しく増えたような感じで、何かあった時に心強さを感じているようにお見受けしています。

空き家活用の新しい形かもしれません。

 

 

 

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