あちこちで開かれる終活講座に呼ばれて、高齢者を対象にお話をする機会が少なくありません。
しかし、昨年2月以降、コロナ感染防止のため、次々と講座開催が中止になりました。

自治体が行う終活講座は市民対象で、来場者のほとんどがシニア層。重症になりやすくリスクが高いといわれる高齢者の参加が多いと思われる開催には、自治体は否定的なのも仕方がありません。
一旦、昨秋からまた新しいご依頼が続いたのですが、今年になって再びの緊急事態宣言。

またまたキャンセルの連絡が続きました。
自治体のご担当者さんは、告知が掲載されてすぐに満席になったのにと、とても残念がってくれました。
私自身も、コロナをきっかけに終活への関心が高まってきているのを肌で感じているだけに、残念に思いました。
そして、お互いにまたの機会にしかるべき時期を待ちましょう、となり、概ね連絡は終わるのです。

そんな中、ある自治体で開催した終活講座は、その自治体にとっての初めてのオンライン講座でした。

緊急事態宣言を受けて、どうしようかと思っているんですが…?
中止にしなくてはいけないでしょうか?
中止にせず、何かそれに代わるいいい方法がないでしょうか?
例えばテキストを作成して配布するなど?

今年の1月中旬に、すでにご依頼いただいていた自治体のご担当者さんから、こんなご連絡をいただきました。

コロナ禍でオンライン講座が増えてきたけれど、考えてみれば自治体主催のオンライン講座をこれまで引き受けあことはありませんでした。
そこでオンラインの可能性を聞いてみたところ、やってみたいが、まだその自治体としてはやったことがないと言うのです。
すでに告知準備は終わっており、もはや変更もできず、あとは掲載を待つばかりのタイミングでした。
ご担当者さんは、応募してくる人になんとか応えたいと相談を受けたのです。
私も何とか応えたいと思いました。

オンラインで開催してみませんかとご提案したところ、
ご担当者さんは、やりたいけど経験がない、うまくいくか不安もある、でもできるならやりたい、と。
そこで、講座の組み立て方や内容はもちろんのこと、オンライン講座というものに初めて参加する高齢者にもわかるように、事前にどんな情報を届けたらいいのかというところから、ご担当者さんと一緒に企画することになりました。

事前準備はもちろん、当日開始前の説明方法など、ご担当者さんとはたびたび情報交換し、職員さん数名が仮参加者になって参加する簡単なリハーサルも行い、実現へとこぎつけたのです。

多くの方から申し込みの連絡がありましたが、その段階でオンライン講座に変更になったと伝えると辞退となる方は少なくなかったようです。
結果的に参加者数は予定人数を下回りましたが、それでもこれをきっかけに初めて「オンライン」講座に参加される方もいました。
不慣れな申込者には電話でサポートするなど、ご担当者さんの丁寧な対応は素晴らしいものでした。

誰にでも「初めて」の時があります。
コロナ時代の今、オンライン講座の経験は、きっとこれから役に立つはずです(受講者側も主催側も)。

ふたを開けたら、今回の参加者は全員が「ビデオオフ」。
なので、私は真っ黒な画面向けに話をするのですが、これは私にとっては少々キツいことでした。
私の話が聞こえているのか、ご理解いただいているのか、表情や様子が全くわかりません。
でも、終了後に質問をいただいたことで、きちんと伝わっていたことが確認でき、ほっとしました。

コロナ時代の前は、あちこちで開かれる終活講座に呼ばれて、お話をする機会が少なくありませんでした。
元葬儀屋さんではなく、霊園関係者でもない。
保険屋さんでもないし、相続手続きや不動産売却を引き受ける仕事をしているわけでもない私は、言わばなんのひも付きでもなく(専門家さん!失礼!)、長年エンディングとは遠く離れた場所で仕事をしてきた一般の人たちと同じ立場。
これまで一般目線から考えた終活の不思議や、終活のお悩みを語ってきたせいか、どちらかというと自治体などの公的機関からのご依頼が多い傾向にありました。
けれども自治体は、リモートワークに次々対応してきた民間とは違って、市民を対象にしたオンライン対応については、少し遅れているのかもしれません。

でも、今回はご担当者さんがやる気にあふれていました。
それに何とか応えたいと私も思いました。
この自治体における最初の一歩に関われた、いい経験になりました。
私が、企業のオンライン研修にサポートとして入る経験があったことも役に立ちました。
もし今後、オンラインに慣れていない自治体であったとしても、きっと企業研修のオンラインサポートをやっている私のお仲間たちが助けてくれそうです。
コロナで不自由ではあるけれど、その気があれば可能性はまだまだ広がりそうです。